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FXリスク管理の技
初心者の方でも解りやすくリスク管理についてご説明します。
リスク管理手法について
証拠金ってどのくらいなの?
余裕資金の重要性
強制決済
分散投資
ドル円買いとユーロドル買いでリスクヘッジ
ドル円買いとユーロドル買いのイメージ
純資産評価
リスク管理手法について
FXで一番重要なのはテクニカル分析でもファンダメンタルでもなくてロスカットやトレーリーストップなどのリスク管理です。 損を大きくしないということが一番重要なのです。
その中でも一番怖いのが、マージンカットなどの強制決済です。
強制決済のリスク、FXのリスク管理、具体的にどうしたらいの?
簡単に言ってしまうと余剰金を多く持つことです。
FXにおいて、レバレッジを利かせて取引をする場合、証拠金というのが必要になります。証拠金を担保に何倍もの外貨を運用するということですね。
FXでは、余剰金を残さずに大きなお金を動かそうとすると、すぐさますべてのポジションを失ってしまうというようなリスクを背負うことにもなりかねません。 必ず証拠金と余剰金のバランスを考えて取引をする必要があります。
FXリスク管理の技では、この余剰金と証拠金に関するリスク管理の手法をいくつかご紹介させていただきます。 このほかにも様々なリスク管理手法がありますので参考までに読み通してください。
証拠金ってどのくらいなの?
まずFXを始めるための証拠金はどのくらい必要なのか具体的に説明します。
今回は、GMOクリック証券のFXネオを例に説明致します。
FXネオの証拠金額は4%となっております。例えば、ドル/円を100円ちょうどで10,000ドル買った場合の証拠金額はいくらになるのか説明致します。この場合100円×10,000ドル×4%となりますので、この場合ですと、40,000円が必要証拠金額となります。
また昨年の法改正でレバレッジが25倍までと規制されました。このレバレッジ倍率と証拠金維持率の割合がリスク管理の指標となります。1万ドルで証拠金4万円ですので、レバレッジを規制上限の25倍で運用するのに必要最低な自己資金は4万円となります。
しかし本当に自己資金4万円で上記の条件でポジションを持った場合、スプレット差がありますので直ぐに必要証拠金の4万円を下回りますのでロスカットとなる場合があるので注意してください。
この証拠金額をふまえて、次の項でリスク管理のお話を致します。
余裕資金の重要性
FXで取引をする際に、多くの場合、預託する資金(最初に業者に預ける資金)に余裕を持って取引をすることがすごく重要です。 デイトレなら、そんなに預託する資金も必要ないかもしれませんが、例えば、スワップ金利を狙った中長期的な取引をされる場合、資金に余裕がない状態だとかなり厳しいと思います。
為替は値動きをするわけですから、長い間、ポジションを持ち続けていると必ず上がったり下がったりという動きをするわけです。その場合、余剰金が少ないと値下がりしたときに、それ以上、ポジションをもてなくなってしまします。
これらのリスクを表すのが証拠金維持率と呼ばれ数値(%)であらわされます。証拠金維持率とは時価評価総額(口座残高+建玉評価損益)÷必要証拠金額×100で求めます。
例えば口座残高100万円で新規に1ドル100円の際、ドル円を10万ドル買いポジションを建てたとすると、時価評価総額 1,000,000÷必要証拠金額(10万ドル×100円×4%=400,000)×100=250 となり。証拠金維持率が250%とあらわされます。
証拠金維持率250%とはレバレッジで表すと10倍となります。
GMOクリック証券の場合この証拠金維持率が100%(レバレッジ25倍)を下回ると「アラートメール」が送られ追加証拠金が発生し、さらに50%を下回ると恐怖の「強制決済」が発動されます。
※各FX会社にによってこのロスカット値は違います。
強制決済
FXでは預託金の残額によって強制的に決済が行われ、すべてのポジションを失うことがあります。 例えば、GMOクリック証券では、資金配分における最大のリスクとして「ロスカット」、その手前の「アラートメール」というものがあります。 「ロスカット」とは、つまり強制決済のことで、「アラームライン」はロスカット水準に近付いている事を知らせるものです。
まず例として、ドル/円を100,000ドル分、100円ちょうどで買いポジションを持ったとします。この場合の証拠金額は、100円×100,000ドル×4%となりますので、400,000円という数値になります。
その下にロスカットとういうものがあります。このロスカットは証拠金維持率が50%未満になりますので、200,000円という数値となります。
例えば、預託金が50万円だった場合、そのうち400,000円はドルを買うのに証拠金として使いますので、余剰としては100,000円ほどだけとなります。ほぼぎりぎりの状態で取引をしている状態ということですね。 この場合、98円95銭を下回るとアラームラインということになります。買った100円からすると1円05銭の幅しか見れないということになりますね。
さらにその下のロスカットラインが97円93銭となります。そうしますと、買った値段から2円07銭の値幅しか見れないということになります。
このように預託金ぎりぎりの取引をしてしまうとそんなに大きく値動きがないにもかかわらず、取引後すぐに、アラームですとかロスカットという状況に陥ってしまう可能性が出てきます。 それに対して、預託金を500,000円ではなく1,000,000円にした場合、アラームラインが93円75銭となります。買った値段からすると6円25銭の値幅を見れる計算です。
さらにその下のマージンカットラインは91円16銭となります。買った値段からすると8円84銭の値幅を見れる計算となります。
このようにブローカーに預ける預託金が大きければ大きいほど有効な取引ができる可能性が高いということになります。
投資の基本は分散投資
投資の基本は分散投資ということになります。
例えば、外貨預金だけでなく、株式投資、金への投資など様々な方向へ投資を分散することが、リスクヘッジとなるのは有名な話です。
FXでも、ポジションをいくつか持つことで、為替変動のリスクを軽減する手法がよく使われます。
例えば、現在もっているポジションがマイナスになっている場合、他の通貨ペアでヘッジをして現ポジションのマイナスを多少なりとも軽減することができるのです。
具体的な話をします。
例えば、ドル/円の買いポジションを持っているとします。一時的にドル安になるんじゃないかと予測できる場合、当然、ドル円でドル安になるということは、ドル売りの円買いが起こりやすいということです。ですから、さらに他の通貨に対してもドルは売られやすくなります。ドル安になることで、対ドルの通貨ペア、例えば、ユーロ/ドルですとか、ポンド/ドルですとか、こういった通貨ペアが上昇する可能性が高くなるのです。
このとき、ドル/円を持っている状態で、上昇する可能性の高いユーロ/ドルの買いポジションを持つとこの後のドルの値動きに対するリスクヘッジとなります。
ドル円買いとユーロドル買いでリスクヘッジ
では、実際にリスクヘッジのために、ドル円とユーロドルの買いポジションを同時に持つ場合の話をします。
下記の図は、ドル円とユーロドルの付け足のチャートを重ねて表示させております。
逆に青とピンクのローソク足、ユーロドルの付け足チャートになります。
例えばドル高でドル円が上がっている場合、ユーロドルが下がっている、という形になります。
例えば、逆にドル売りでユーロドルが上がっている場合、ドル円でもドル売りが入りやすくなるので、ドル円は下がってくる。というような動きをしやすくなります。
ドル円買いとユーロドル買いのイメージ
前項で紹介したリスクヘッジのためにドル円の買いポジションとユーロドルの買いポジションを持った場合の証拠金のイメージをご紹介します。
真ん中から上が買い、下が売りになります。
米ドルの買いは赤色の部分となります。
円は青の部分となります。
左側の図に関して、この米ドルの買いと円の売り、ふたつの絶対値がイコールの状態です。 そして、右側の図は、リスクヘッジのためにドル円の買いポジションにプラスしてユーロドルの買いポジションを持った場合の図となります。
円ではドル円で円を売りますので、青の部分はこのままスライドします。ドル円でドルを買っているので上方向に赤い部分が表示されるはずですが、ユーロドルで、ドルを売っているので、ユーロの方が絶対値が大きい場合、ドルは相殺すると売りのほうが若干大きくなるという形になりますね。それで、ドルの赤い部分は下方向に表示されているわけです。
今回のポジションの場合、絶対値として大きいものは、まずユーロの買い、日本円の売り、それから米ドルの売りとなっています。結果的には、ユーロ円を買ってるのと同じポジション、というふうな見なしができるんです。
管理人によるFX初心者へ為になるコラムFX ユーロの特徴と値動き ユーロ/米ドルのスプレッド比較
純資産評価
次に証拠金に関する情報です。
余剰金は多い方が良いというのは、前項でお話しましたが、FX業者によって、スワップ金利などの含み益も証拠金として使える場合があります。 含み益を証拠金として使えることでより大きなポジションを持つことが可能になります。 その最たる例として、今回は、GMOクリック証券の場合で説明させていただきます。
GMOクリック証券は純資産評価というものを導入しています。
GMOクリック証券では、総資産評価の評価額、それから未実現のスワップ金利、こういったものを純資産として評価します。そしてその純資産を証拠金として利用が可能となるのです。
例えば、預かり金を100万円お預かりしているとします。そしてドル円を10万ドル買っているポジションがあります。
その10万ドル買っているポジションに対して、証拠金額を60万円使っているとします。その時点では100万円から証拠金額60万円引きまして、余剰は40万円というような形になりますけども、その10万ドルの買いポジションに対して、その後、スワップ金利などで20万円の評価益がついたとします。
このときの純資産額というのは、先程預かっている100万円に、プラス20万円の評価益という形になるんです。 つまり純資産額としては120万円という形になるのです。
余剰は120万円に60万円を証拠金として使っているということになるので、60万円になります。<b